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復興への道

この本には、
これから、私たちが、このどうしようもない現実に立ち向かうための
ヒントがしたためてあった。



「森は海の恋人」という言葉を掲げて、
仲間とともに山に落葉広葉樹林を植えてきた、
宮城県気仙沼の畠山重篤さんは、
津波からまだ何日もたたない頃、
「それでも海を信じ、海とともに生きる」というメッセージをだした。
おそらく、津波との間で折り合いがついたのであろう。

自然から提供される情報は、その量がどれほど多くても、
判断能力を失ったり、バーチャルな情報に変わることはない。

青い海を見ている眼、
汐の香りを感じている鼻、
波の音を聞いている耳、
舌に感じられてくる海という生命世界、
そして皮膚がつかみとっている海の力。

このような生の情報を
身体で受け取り、身体で情報を処理し、身体で判断し、身体で動く。

だからこそ、あれだけの被災を乗り越え、
これからも海とともに生きることができるという
確信に満ちた判断をし、宣言をすることができたのだろう。

秋朝日の出前





テレビや新聞やインターネットなどで情報を受け取った人は
そうはいかなかった。

一方的に壊されていく映像は、
救いのない破滅が起こっていることを、
バーチャルな情報を受け取った人の身体や生命に刻んでしまったのである。

そして想定を超えた事態の展開が、映像からリアリティを奪い、
膨大な情報と、実感のない不安に埋め尽くされた知性は、
その情報を処理できずに、適切な判断ができなくなってしまった。


東日本大震災とその後の原発事故。
地震と津波だけなら私たちは驚愕しただけですんだだろう。
もちろん直接の被災者には、それだけではすまない体験がもたらされた。
だがすべての人たちを、復興という言葉が勇気づけてくれたはずだ。

ところが原発事故によってもたらされた言葉は虚無だった。
なぜならそれは、これまで自分たちが信じてきた世界のイメージの
崩壊をもたらしたからである。



東日本大震災を経験して、多くの人たちが、このままではいけないと感じた。
では、変わらなければならない何かとは。

これからの、日本の社会づくりの思想とはなにか、であろう。

大事なことは、
まず、自分たちが作っていきたいと思っている自分たちの生きる世界を、
文学的、あるいは文化的に語ることである。
そして、その語りの中にこめられている思想をつかみとることだ。
社会づくりのグランド・デザインはこのなかにあると思っている。

これからの日本の社会づくりは、どのような思想でつくっていったらよいのか。

復興のグランド・デザインは、この問いに答えることから始めるべきである。

そう考えたときはじめて、被災者と同じテーブルにつくことができる。
復興のグランド・デザインが何らかの設計計画だと考えている人たちは、
おそらく、今、歴史が超えさせようとしているものに気づいていないのであろう

                     内山 節 「文明の災禍」より

秋の空



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